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沖縄・奄美の言語、どう広がった? 琉球語の系統樹作成へ 狩俣琉大教授ら

 投稿者:  投稿日:2018年 2月 4日(日)23時59分12秒 KD182250243012.au-net.ne.jp
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  http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/204534
 琉球大学・国際沖縄研究所の狩俣繁久教授らの研究グループが、琉球語を対象にした「言語系統樹」を作成する大規模な研究プロジェクトを進めている。琉球語が枝分かれした各地域方言間の影響や関係性を明らかにし、沖縄・奄美の言葉の複雑な相互関係の把握を目指す。系統樹で琉球語の広がり方を示すことによって、人や文化の動きも分析できるという。複層的な資料の解析、研究エリアが広範囲に及ぶ点など、関係者は「世界的にもまれな研究になる」と話している。(学芸部・与儀武秀)

 系統樹とは、さまざまな生物の時間的な変化を理解するため、類縁や分布の関係が示された樹木状の図。生物学で生き物の進化を把握する目的で作成されるほか、言語学でも用いられており、各言語の比較・検証が可能になる。

 昨年5月、文部科学省に約1億3千万円の研究費(2021年度までの5年間)が採択され、狩俣教授を代表者とする7人の研究グループが言語系統樹の作成を始めた。

 沖縄、宮古、八重山、奄美を含む琉球列島で調査された語彙(ごい)を基に(1)沖縄言語研究センターが調査した800地点200語(活用形含む350項目)(2)同センターの調査から選択した100地点1100語(3)これまでに刊行された奄美・沖縄各地の10冊の方言辞典-の3段階の系統樹作成に向け、データ入力や系統樹の試作などの作業を進めている。データベースに蓄積する語彙量も大幅に増やす。

 3段階の系統樹により単語数が増加し、より精密な系統樹が描けるため、単語や文法、発音などの相互関係や、言語の接触や分岐などの因果関係が理解できるようになるという。

 狩俣教授は「言語系統樹の研究はまだ十分ではないが、今回のように琉球弧の広い範囲で3段階の言語系統樹が作成されることは世界的にもまれだ」と指摘。「単語や文法、発音など、さまざまな系統樹を作成することが可能になり、より複雑な影響関係を把握することができる」と研究の意義を話している。

狩俣繁久教授らが作成した琉球語の言語系統樹
 
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