|
|
農水省が魚秀と神港魚類を立ち入り調査する直前の6月10日、魚秀の中谷彰宏社長と神港魚類の担当課長(40)らが徳島市内で、偽装隠ぺいについて話し合っていたことがわかった。
神港魚類幹部によると、5月27日、中谷社長から1000万円の現金を受け取った担当課長は、6月10日に再び魚秀側関係者からJR徳島駅前の居酒屋に呼び出された。中谷社長のほか、複数の魚秀側関係者がおり、近く実施される農水省の調査をどうやって乗り切るかが話し合われた。
この際、魚秀側からは「(偽装は)東京の人物が全部やったことにしよう」などとの話が出たという。課長はこの場では発言せず、翌日以降も偽装について神港魚類に報告していなかったという。
ウナギ販売業「 魚秀 ( うおひで ) 」(大阪市)と「マルハニチロホールディングス」の子会社「神港魚類」(神戸市)が中国産ウナギのかば焼きを国産に偽装していた問題で、両社の取引に介在した商社2社のうち1社が今年2月ごろ、魚秀側から「帳簿上だけ取引の間に入ってほしい」と依頼されていたことがわかった。
現物を扱わない帳簿上の取引は「 帳合 ( ちょうあい ) 」と呼ばれ、業界では広く行われているが、今回のように特定の業者同士が一つの品を売買する取引は極めて異例。商社2社は取引に介在するだけで計約4300万円もの利益を得ていた。
農林水産省では、こうした不自然な取引が始まった時点で、神港魚類も、中国産を「愛知県三河一色産」と偽装した事実に気づいていた疑いがあるとみて調べている。
介在した商社2社のうち1社の関係者によると、魚秀の非常勤役員が今年2月ごろ、「帳合」を持ちかけてきた。「帳簿上だけ神港魚類との取引の間に入ってほしい」と頼まれ、依頼に応じると、「ウナギのかば焼き」の名目で2通の明細書(計約7億7000万円分)が届き、その後、実際に商社の口座に神港魚類から明細書と同額の振り込みがあった。そこから手数料を差し引き、残りを都内の別の商社の口座に送金したという。この時、現物のかば焼きのやり取りはしていなかった。この関係者は「神港は大手なので信用した。偽装は知らなかった」と話している。
同省によると、「帳合」はスーパーなどが支払い期日の異なる複数の業者から、多品目の商品を仕入れるような場合に行われている。複数の仕入れ先との間に仲介業者を1社介在させることで、取引先が一本化され、伝票類を一括管理できるメリットがある。しかし、神港魚類にとって今回の仕入れ先は魚秀だけで、仕入れている商品も、かば焼き1品目のみだった。
同省の調べでは、取引に介在した商社2社のうち神港魚類から代金の振り込みを受けた商社は、1キロあたり150円計約3800万円の手数料を、残る1社も1キロあたり20円計約500万円の手数料を得ていた。
同省表示・規格課は、神港魚類があえて都内の商社2社と「帳合」していることを不自然とみており、「偽装に薄々気づいていた可能性もある」としている
ウナギかば焼きの産地偽装問題を受け、神戸市は26日、卸売会社「神港魚類」(同市兵庫区)が偽装ウナギの在庫を保管している市内の倉庫など2カ所を食品衛生法に基づき立ち入り調査した。また、徳島県警は前日に続いて、偽装ウナギの仕入れ先のウナギ輸入販売会社「魚秀」の中谷彰宏社長から任意で事情聴取した。
神戸市の調査は午前10時半に始まり、台帳通り在庫が保管されているかを確認した。同市東灘区の子会社の倉庫では約200トンの「偽装ウナギ」を冷凍保存しており、段ボール箱には「愛知県三河一色産うなぎ蒲焼」と記されていた。市は今後、販売された数量や販売先の特定を急ぐ。
神戸市はウナギの製造業者が架空だった点について食品衛生法違反にあたるとして、神港魚類に在庫品の販売禁止を命じている。
http://www.maruha-shinko.co.jp/
|
|