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>山口様
私の手元にある「万葉集事典」(別冊國文学NO46、学燈社)に収録されている「万葉集歌ことば辞典」には、次のように記載されています。
【いも・せ(妹・背)】
名詞。異性の姉妹・兄弟を意味する一対の名称で、兄弟姉妹以外の男女間でも広く親称として用いられる。特に相聞歌に例が多い。一般に親族名称は、特定の人物に対する呼称としては非親族の範囲にまで拡大適用される傾向にある。(中略)ある男は、任意の同世代の女を自己のイモと呼びえたのであり、現に他人の妻や通りすがりの娘をそう呼んだ例もある(中略)血縁の絆が重視されていた古代社会においては、兄弟姉妹を意味する名称にも相当濃密な情感が纏綿していたであろう。歌ことばとしての馴致はその喚情性をいっそう高めることにもなったはずだ。(以下略)
私の理解では、妹は親愛なる女性を指す語であって、必ずしも妻に限定されるものではありません。「言繁きゆえに逢い難い」は、山口様の記載のとおりだと思います。
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